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zoom RSS 『復興と尊厳 震災後を生きる南三陸町の奇跡』。

<<   作成日時 : 2019/04/20 22:31   >>

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(公共)人類学の視点から、復興事業の過程をたどった一冊。


復興と尊厳: 震災後を生きる南三陸町の軌跡
東京大学出版会
内尾 太一

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全体として、被災者の尊厳という観点から論述されています。

支援=贈与を受けることにより被災者が負う負債によって、支援者と被支援者(被災者)との関係の変化していくさまは、具体例を挙げながら詳述されています。

他方、防潮堤を巡る議論については、尊厳との関係は明示的でない(尊厳=自己決定権ということであれば記述はされていますが)ところがあったり、復興事業の主体としての国と県と市町村との役割分担に余りにナイーブだったり(簡単に言うと、何でも国がいかんという論理)します。
まあ、この辺は、実際に被災者支援に携わってきた方から見ると、行政の動きが鈍く見えると言ったことに対しては、論理的ではいられない、感情的な思いが出てきてしまうのはやむを得ないことかもしれません。

また、震災遺構を巡る議論については、被災者はもちろんのこと、被災者以外の関係者というアクターにももうちょっと焦点を当てて欲しかったなと。筆者のフィールドワークの埒外なのかもしれませんが…。

最後のまとめにある、エンパワメント/ディスエンパワメント、「支援/被支援の権力関係を実質的な解除へと向かわせる実践」=アンパワメントの重要性、ということは、これから東日本大震災からの復興だけでなく、各地で起きてしまっている大災害後の対応においても、大事な視点だと思われます。

全般的に、公共人類学という、決して古くない学問的基盤の上に立って、現在進行形の課題を分析した意欲的な一冊であるとともに、被災地における実践を学術的に論述することの難しさも垣間見られる一冊でした。

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